キャリアと人生の選択:医師・研究者である父との対談から学んだこと

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今回は少しユニークな投稿です。僕たちの父は、ワシントン大学(WashU、ミズーリー州セントルイス)で医師・研究者として働き、ウォルフラム症候群という非常に珍しい病気を専門にしています。周りにいる医師の中でも、研究しながら患者さんを診ている人はあまりいません。あまりに身近な存在だからこそ、これまで父にじっくりと話を聞く機会はありませんでした。

「どうしてその道を選んだのか」、「学生や大学院生を指導する立場から、キャリア選択についてどんなアドバイスをしているのか」など、聞いてみたいことは山ほどありました。そこで今回、あらためてインタビュー形式でいろいろ聞いてみました。

Q&A

トーマス: お父さんは日本で生まれて、大学を出ていますよね。なのに、どうしてアメリカでキャリアを築こうと思ったのですか?また、最初にアメリカに来たのはいつ頃ですか?

: アメリカに来たのは約27年前だね。もともとは、がんの分子メカニズムを勉強するのが目的だった。当時は、分子生物学に基づく新しい薬や診断法が次々と出ていて、組換えインスリンやG-CSF、エリスロポエチンなどの研究が盛んだったんだ。ヒトゲノム計画も始まったばかりで、アメリカは医学の最先端研究の中心だったから、最先端の医学を学ぶならアメリカが一番だって思ったんだよ。

クレイグ: どうしてウォルフラム症候群みたいな珍しい病気を研究することになったんですか?

: ウォルフラム症候群の研究を始めた理由には、医学一家に育った影響が大きいと思う。僕の父親は小児がんを研究する病理医で、母は小児科医だったから、自然と子どもの病気に興味が湧いたんだ。

大学院生の頃、珍しいがんの男の子を新しい遺伝子検査で診断したことがあった。診断は正確にできたんだけれど、その病気には特効薬がなく、結局彼を助けられなかったんだ。まだ医者の卵だった僕には大きな衝撃で、正しい診断だけでは不十分だと痛感した。そして、病気を根本から治すには、分子レベルで病気を理解することが不可欠だと気づいたんだよ。

もちろん、珍しい病気の研究は大変だ。患者数は少なく、研究資金も限られているし、患者も世界中に散らばっている。でも、患者や家族、研究者、財団が協力している姿を見ると、大きなやりがいを感じる。ウォルフラム症候群に惹かれたのは、研究で得られた発見を実際に治療につなげられる可能性があると感じたからなんだ。

トーマス: 去年、僕のパソコンが壊れたときに、お父さんの古いパソコンを借りたよね。その時のスクリーンセーバーは、ピンクの付箋で、「I have a dream that there will be a cure for diabetes(僕には糖尿病を治す夢がある)」って書いてあったけど、あれは患者さんからのメッセージですか?

: そう、あれはWashUでクリニックを始めたばかりの頃、10歳の男の子からもらったんだ。若年発症型の病気でね、彼が手渡してくれた。それ以来、大切にしていて、今もスクリーンセーバーにしている。治療法が見つかるまでは、このままにしておくつもりだよ。

研究と臨床は心身ともに大変だけど、あの付箋を見ると「なぜ今これをしているのか」を思い出せる。彼や多くの患者の笑顔を想像すると、それが力になるんだ。

クレイグ: お父さんは患者さんや家族とのつながりを大事にしているよね。僕たちも、お父さんと一緒に患者さんたちのボーリング大会やマラソン大会に参加したことを覚えているけど、あれは意識的にやっているの?それとも自然にそうなったの?

: 両方だね。まず、患者さんの話をしっかり聞きたいという気持ちはある。でも、ウォルフラム症候群が珍しい病気だから、家族は専門家である僕を頼りにしてくれる。遠くの国からも会いに来ることがあるから、自然と深いつながりが生まれるんだ。最新の知見を伝える役割とその責任も感じているよ。

正直、僕も患者さんから学ぶことが多い。ウォルフラム症候群は深刻で、30歳前後で亡くなる患者さんも多い。話を聞く中で、さまざまな症状の中でも視力喪失が一番つらいことが分かってきた。インスリンを打ち、血糖を管理するのは大変だけど、みんなが最も苦しいのは視力の低下なんだ。

だから研究室では、遺伝子治療などの究極の治療法を目指す一方で、症状の進行を遅らせる治療の研究にも力を入れている。病気を理解するだけでなく、患者が日々どう感じるかを理解することが大切だと思っている。

トーマス: キャリアを選ぶとき、大事なことは何だと思いますか?

: 自分の「影響力」を意識することだね。自分に問いかけるんだ。「何にワクワクする?どんな問題を解決したい?自分のスキルで他人をどう助けられる?」と。内なる声に耳を傾けることはとても大切だよ。それは簡単にはいかないけれど、自分が何に駆り立てられるかが分からないと、前に進むのは難しい。人に評価されることは確かに嬉しいけれど、それだけでは続かない。本当に大事なのは、価値あることを成し、人の役に立てるかだと思う。

クレイグ: これまでの経験から、僕たちに伝えたいことはありますか?

: まず、自分がワクワクして、楽しくて、感動することを考えてみて。それがコンパスになる。僕の日々のモットーは「行動ありき」。完璧を待たず、まず一歩を踏み出すこと。そして前に進み続けること。

あと、君たちには、途中で出会う人には優しくして欲しい。出会った人とは後でつながることも多いから。人間関係は大切だよ。そして意味のある仕事を続けていけば、自然と良い人生につながっていくと思う。

父の話をじっくり聞く機会は、僕たちにとって貴重でした。医師・研究者としてだけでなく、父親としての視点もあり、意味のある仕事を追求するとはどういうことかを改めて考えるきっかけになりました。

最後まで読んでくれてありがとうございます!
それではまた次回! 🚀

トーマス&クレイグ

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