好奇心と伝える力:ルドルフ・ライベル博士へのインタビュー

「好奇心に導かれなさい」– ルドルフ・ライベル博士

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今回は、医学研究の第一人者であり、食欲や代謝を調節するホルモン「レプチン」の共同発見者として知られるルドルフ(ルディ)・ライベル博士との刺激的な対談をお届けします。ライベル博士の画期的な研究は、肥満や糖尿病に対する認識を大きく変えました。医師そして科学者として、50年以上のキャリアを持つライベル博士は、現在もコロンビア大学メディカルセンターの教授として研究を続け、科学の最前線をきり開いています。

ライベル博士のキャリア:好奇心が導いた道

僕たちは、大学進学を目前にして、「この選択は、僕の将来にどう影響するの?」とよく考えます。対談で、ライベル博士にこれまでの道のりを伺うと、それは決して一直線ではありませんでした。

📌 大学は、まず化学を専攻し、その後、フロイト派精神医学に興味を持ち、英文学に転向。
📌 精神科医を目指して医学部へ進学、その後、遺伝学に魅了され小児科へ進路変更
📌 ベトナム戦争中に軍医として従軍し、その後マサチューセッツ州ケンブリッジで公衆衛生プログラムを指導
📌 転機:子どもの治療法が見つからないことに憤りを感じる一人の母親の姿を目の当たりにしたことがきっかけとなり、その後、医学研究へ転向
📌 公衆衛生の仕事を辞め、遺伝学研究に専念ロックフェラー大学で画期的発見を導く。
📌 現在はコロンビア大学で糖尿病研究を主導。

インタビューから学んだ3つのこと

ライベル博士との対談を通して得た、最も重要な3つの教訓を紹介します。

1️⃣ 学問やキャリア選択では「好奇心」に従う

🔹 好奇心こそが最良の指針。他の人がたとえ反対しても、自分がワクワクする道を選ぼう。もしも誰も反対しないなら、それは挑戦が足りない証拠かもしれない。
🔹 粘り強くあれ。ライベル博士がOB遺伝子(レプチンを生み出す遺伝子)をクローニングしようとしたとき、誰もが「不可能だ」と言ったそうです。NIH(米国国立衛生研究所)の研究費申請は2回拒否されました。しかし、博士は学会のバスの中で偶然出会ったNIH関係者を説得し、のちの画期的発見を導いた研究費を確保することに成功しました(このあとその出来事を詳しくシェアします)。                        🔹 柔軟性のある進路を選ぶ。 興味は変わるもの。成長の余地がある分野を選ぶことで、新たなチャンスが広がると博士は話されていました。

こうした教訓をまさに体現するのが、ライベル博士から伺ったレプチン発見の裏話でした。

ライベル博士がOB遺伝子のクローニングを目指したとき、専門家たちは「マウスでの研究に価値はない」と切り捨てました。NIHからも2度、研究費の申請が拒否されました。

3度目の拒否を目前にしたとき、運命の出会いが訪れます。

学会のバスの中で、博士はNIHの幹部研究者が座っているのを見つけました。それまで話したこともない人物でしたが、バッジの名前を確認してNIHの科学者であると分かった博士は、この人物へ訴えました。「この研究が成功すれば、体重調節の仕組みを解明する新たな道が開かれます」と。

数日後、その人物は個人裁量で、なんと2年間の研究費を承認してくれました。この研究費で行った研究のデータが、さらなるNIHの研究費の獲得につながり、ついには肥満や代謝研究を変える歴史的発見につながったのです。

2️⃣ 大学の本当の目的は、「考える力」を養うこと

生徒の多く(僕たちも含め)が、何を大学で専攻するかで悩んでいます。どうやって決めたらいいのか、その悩みをライベル博士にシェアすると、博士はこう言いました。

💡 大学は特定の道を決める場所ではない。新しい方向を探求するための考え方やスキルを身につける場だよ。

博士は、「プラットフォーム」という言葉を使って説明してくださいました。大学での専攻を通じて、その学問のエリアで「物事を見るレンズ」が与えられると。そして、そこで得た知識やスキルが、将来まったく別の分野を学ぶときに役立つのだと。

ライベル博士自身、独学でさまざまなものを学ばれたということですが、例として、以下を挙げられていました。

✅ マウス遺伝学
✅ UNIXプログラミング
✅ 幹細胞生物学
✅ 統計学

💡 自ら学ぶ力は、キャリアを切り開くために不可欠。そして独学は楽しいことでもある

とお話しになっていました。

3️⃣ 口頭でも文章でも「伝える力」が重要

ライベル博士は、対談で「伝える力」こそが、最も重要な取得すべきスキルの一つだと強調されていました。

💡 自分の考えを明確に伝えられないなら、それはまだ本当に理解できていないのかもしれない。

優れたコミュニケーション力は、思いがけないチャンスを引き寄せます。実際、ライベル博士は「バスの中での説得」で、のちの大発見につながる研究費を獲得しました!

AIが変える医学の未来

AIが科学に与える影響についても聞いてみました。その答えは驚くべきものでした。

🔹 AIは遺伝予測やタンパク質構造解析を革新している。
🔹 新生児のDNA解析は既にニューヨークで始まっており、今後全国へ広がる可能性がある。
🔹 医療データの量が膨大になり、AIなしでは分析不可能な時代が来ている。

ライベル博士は、将来の定期検診では、患者の遺伝情報が毎回参照されるようになると予測し、それも思っている以上に早くやってくるだろう、と話されていました。

若い世代へのメッセージ

ライベル博士が、若い世代である僕たちに伝えたかったのは、次の2つ資質です。この2つを磨きなさいとお話しになっていました。博士は、ご自身が若い研究者を採用する際にも、これらの資質を最重視されているそうです。

🌟 好奇心が発見を生む。疑問を持ち続け、新しいことに挑戦しよう。
✍️ 明確に考え、伝える力を磨くことが重要。

💡 自分の考えをうまく伝えられなければ、誰とも共有することはできない。

最後に

ライベル博士のお話を伺って、大学に対する見方が変わりました。大学は「仕事のためのステップ」ではなく、その先につながるキャリアや人生において不可欠となる「考える力を育て、適応力を磨く場所」なのだと。

読者の皆さん、好奇心を持ち続け、大胆に挑戦し、本当にワクワクする道を選びましょう!

長いブログ記事でしたよね。最後まで読んでくださってありがとうございました。

🚀 次回は、発生生物学や再生医療の最前線でご活躍のハーバード大学医学部サマンサ・モリス博士へのインタビューをお届けします!お楽しみに!

クレイグ

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