自分の価値観と文化的つながりへの考察
「どのようなコミュニティから自分のアイデンティティは形作られているのだろう?」
こんな質問を自分に投げかけたことはありますか?
僕は、つい最近まで、考えたことがありませんでした。
ですがこの質問は、大学への願書を書く際に、よく尋ねられる質問のひとつです。多くの場合、家族や自分の人生に影響を与えたコミュニティについて考察するよう促されます。
高校最上級生の君なら、この質問に心当たりがあることと思います。 まだ大学を考えるのはまだ先と思っている皆さん、注意してください!いずれこの質問があなたの目の前に現れる時が来ます!
僕はこの質問に答えるために、自分の考え方や気持ちを深く掘り下げる必要がありました。最初は家族とのつながりを探ることから始まりましたが、やがて日米の文化的背景が自分の社会観—例えば、時間厳守や共有スペースの清潔さに対する責任感—にどのように影響を与えているのか、というテーマに広がっていきました。
時間厳守という共有の価値観
最近日本を訪れた友達は(ドル高のメリットもあって結構日本に旅した友人がいます)、日本の電車が時間厳守であることに驚いたと言います。日本人にとって、これは当たり前で、日常生活の基盤となっています。数分の遅れでさえも、原因を詳しく説明する謝罪アナウンスが流れます。僕は、こうした文化的な時間厳守の価値観が、日本製品の高い品質基準にもつながっていると思っています。
共有スペースへの責任感
サッカーのワールドカップで、日本チームが試合後にロッカールームを綺麗に片付け、開催国に感謝のメッセージを残したことを覚えている人もいると思います。このことは世界中で称賛されましたが、日本人にとってこうした片付けはとりわけ「特別なこと」ではないでしょう。共有スペースを清潔に保つという習慣は、幼い頃から教育の一環として教えられ、学校生活を通じて徹底されています。
これらの価値観はどうやって育まれるのか?
アメリカに住んでいると、こうした価値観が日本社会でどのように自然に根付くのか、とよく尋ねられます。僕は、子供時代に培われているんだろうな、という漠然とした認識は持っていましたが、さて具体的に説明するとなるとお手上げでした。しかし、最近あるドキュメンタリーに出会い、その新しい視点に感銘を受けました。
それは「鼓動する心の楽器」というタイトルのドキュメンタリーで、子供時代に日本の価値観がどのように育まれるのかを探る作品です。この作品を監督したエマ・ライアン・ヤマザキさんは、日英のハーフとして、二つの文化的影響を受けた自分自身の経験を振り返っています。僕も日米の二つの文化的アイデンティティを持つ者として、この作品に共感しました。
小学一年生たちの挑戦を描いた作品
このドキュメンタリーは、東京の公立小学校の一年生が入学式で新入生を迎える際に、演奏を披露するイベントへの挑戦を記録しています。準備の過程では、何度も練習を繰り返し、チームワークや忍耐力、責任感の重要性を子供たちに教えます。太鼓がリズムを刻み、シンバルがメロディを引き立てるように、それぞれの生徒の役割が素晴らしいハーモニーを生み出す鍵を握っているのです。
練習の光景を目にして、僕は日本で体験したことを思い出しました。少しの間通った日本の幼稚園や小学校でも、夏祭りや文化行事、運動会といったイベントおいては、協力や粘り強さの大切さが強調されました。こうした価値観は、アメリカに引っ越した後も週末に通った日本語補習校で引き続き教えられました。
教育が映す社会
エマさんのドキュメンタリーは、教育が社会をどのように形作るかを浮き彫りにしています。彼女はフィルムに寄せて書いたコメント欄でこう書いています:
「学校で起こっていることは、将来の社会の姿を形作るでしょう。日本の教育システムには長所も短所もありますが、このフィルムが他の社会にも、次世代をどのように育てたいのかを考えるきっかけになればと願っています。」
この言葉は、僕の心に深く響きました。日本では、学校が小さな社会のように機能し、子供たちにコミュニティへの貢献の重要性を教えています。一方で、アメリカでは幼い頃から個人表現や討論、自己主張が奨励されていると思います。
規律と自由のバランスを取る難しさ
日本とアメリカの両方の学校生活を過ごして、僕は教育における規律と自由のバランスの難しさを感じています。日本では「空気を読む」という暗黙の了解がありますが、アメリカでは自分の考えを述べ、自己主張することが求められます。どちらのアプローチにも良い点があり、そのバランスについては今も考え続けています。
2024年が終わりに近づくこの時期は、自分を定義する価値観や経験を振り返るのに良い機会だと思います。家族や文化のどの側面が、今のあなたを形作ったのでしょう? そのルーツがどこになるか、はっきり特定できますか?
ぜひ皆さんも、少し立ち止まって深く考えてみてください。きっと何か意義深い発見があるはずです。
それでは、また!
トーマス