先行きが不透明な時代に、僕たちは何を学ぶべきか:鈴木淳博士との (Part 1)
「正直、うまくいっている方が楽しい。でも振り返ると、自分のアイデアがうまくいかなかった時にこそ、チャンスはたくさんありました。」
— 鈴木 淳博士
こんにちは、Thomas & Craigです。大学での最初の一年が終わりました。
クラス、試験、課題。一年目は目の前のことに取り組むので精一杯で、このブログもだいぶご無沙汰でした。
夏休みになって、大学とは異なる環境に身を置く中で、「自分はこれから何をしたいのか」を改めて考えるようになりました。僕たちが今、気になっているのが、AIの急速な進歩です。
AIの時代に、自分たちは何を学び、どんな力をつければいいのか。
その答えを探すために、ぜひお話を伺いたいと思ったのが、京都大学 高等研究院教授の鈴木淳先生でした。
鈴木先生は、細胞膜や膜タンパク質を研究し、生命現象の理解を深める数々の画期的な発見を生み出してこられた研究者です。急速に変化する時代の中で、大学生は何を学ぶべきなのか。そのヒントを、先生の経験から伺いたいと思いました。
インタビューは、質問が次々と湧いて、予定時間を大きく超過することに。
今回は、その中から「メンター」「専門」「AI時代の学び」という3つのテーマについて紹介します。
心に響いたこと①:「素直さ」が良いメンターとの関係をつくる
大学時代と大学院時代の恩師との出会いが、鈴木先生が研究に進んだ大きな理由でした。
大学時代には、「君は研究者に向いている」と背中を押され、さらに留学経験を通して、世界で研究することへの興味が芽生えたそうです。
また大学院時代には、世界的研究者のもとで研究に取り組み、「君は面白いアイデアが出せるね」と励まされ、研究者として歩む自信を育ててもらったと振り返られていました。
メンターと良い関係を築くために大事なことは?と尋ねると、先生の答えは「素直であること」でした。
ただし、ここでいう素直さとは、何でも受け入れることではありません。
🌟 「まず自分で考える。それでも分からなければ質問する。そして相手の話に耳を傾け、良い部分を吸収する。その姿勢を持つ人ほど成長が早い。」
と先生は話してくださいました。
研究者として、長い道のりを歩んできた先生が学生に求めていたのは、知識や才能よりも、「学びの姿勢」でした。
🌟 自分の考えを議論し、自分と異なる意見でも良い部分は素直に受け入れ考える。
僕たちも、この姿勢をぜひ大切にしたいと思います。
心に響いたこと②:失敗は「チャンス」
研究がうまくいかない時のモチベーションの保ち方について尋ねると、「うまくいかない時こそ、実はチャンスなんです」という言葉が飛び出しました。
実験は思い通りに進みません。失敗し、考え、やり直し、また失敗する。
でも、その過程こそが、研究者を成長させる時間なのだそうです。
「思ってた通りにうまくいかない。じゃあどうしたらいいか――そこに、他の人の予想を超えるものや、インパクトが生まれる。」
— 鈴木 淳先生
世界初の発見を生み出してきた先生であっても、陰には数え切れない試行錯誤があることを知りました。そして、大切なのは、失敗を終わりと捉えるのではなく、そこから次の問いを生み出すことであると感じました。
🌟「壁にぶつかることと、成長はセットなんです。」
「未知の世界へ挑戦する以上、壁にぶつかるのは必然」と伺った時、僕たちはサッカーでの経験を思い出しました。
一つ壁を越えると、また次の壁が現れる。その繰り返しでした。
失敗や困難は苦しい。でもそれは、前進のサイン。そう思うと、失敗の見え方が少し変わりました。
心に響いたこと③:AI時代だからこそ、「専門」を深く学ぶ
思い切って、自分たちの悩みをぶつけてみました。「もし将来、大学の専攻とは違う分野へ進むことになったら、今学んでいることは無駄になるのでしょうか」と。
すると、先生は専門を柱に喩え、説明してくださいました。
🌟「何かを深く学ぶことは、自分の柱を太くすること。」
柱が太ければ、新しい分野に出会った時、その価値を理解できる。そして、そこへ踏み出すこともできる。
一方で、学びが浅いばかりだと、面白いものに出会っても、その本質に気づけないかもしれない。
🌟「一つ柱があれば、新しいことを始める時にも必ず武器になる」
と先生は話してくださいました。
先生と対話を重ねているうちに、先生のおっしゃる「柱」という考え方が腑に落ち、僕たちはなんだか少し安心しました。
AIによって仕事は大きく変わるでしょう。でも、10年後に何が必要になるかを、今の僕たちが正確に予測することはできません。
だからこそ、AIに置き換えられることを心配するよりも、今、自分が好きなことや面白いと思えることを深く学び、新しい変化にも対応できる力を養うことが大切だと思いました。
おわりに
今回の対話を通して、僕たちは「将来が見えないこと」を以前ほど怖いとは思わなくなりました。
大切なのは、未来を完全に予測することではなく、どんな未来でも学び続けられる自分をつくること。そのために必要なのは、自分の専門を深く学び、自分自身で考え続けられる力なのだと思います。
実は鈴木先生との対話では、AI時代における「自分で考えること」の重要性についても、さらに深いお話を伺いました。
次回は、「世界初の発見はどのように生まれるのか」というテーマを通して、AI時代だからこそ大切になる「自分で考えること」と「セレンディピティ」について紹介します。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
トーマス&クレイグ

