エリック・ルーサード(Eric Leuthardt)医学博士とのインタビュー:北極星を探そう!

今回のブログ記事をまとめるのには思った以上に時間がかかったので、Thomasが自己紹介のポストを先に上げてくれてよかったです。

「こんにちは、読者の皆さん!」このブログを読んでくれてありがとうございます。もしも、今回がはじめての訪問であれば、「ようこそ!」 このブログを楽しく読んでもらえたらうれしいです。また、もしもまだこのサイトのミッションステートメントを読んでいないようであれば、ぜひチェックしてみてください(リンク)。そこから、今回お話するインタビューが、僕たちの「北極星さがし」の旅に、どう影響しているかが分かると思います。

人は時に、生き方そのものに影響を与えるような出会いをすることがあります。そうした運命的ともいえる出会いがこの世には存在する、ということを僕は伝記やドキュメンタリー番組で読んだり見たりして知っていました。でも、実際に自分がそうした出会いを経験することになろうとは、考えたこともありませんでした。しかし最近になって、僕の人生に影響を与えるだろうと思う人たちと出会いました。

それは、OpenAIのサム・アルトマン氏、MITのデーバ・ニューマン教授、セントルイスにあるワシントン大学医学校脳外科医のエリック・ルーサード医学博士との出会いです。

どの出会いも、僕の見方を大きく変えるものでしたが、とりわけルーサード博士との出会いは、このブログ、Discover Your Starを立ち上げて、僕とThomasの「北極星さがし」の旅を記録することを決心した理由となったので、とても個人的なものです。

ルーサート博士を知ったきっかけ

僕がルーサート博士のことを知ったのは、博士が同じく脳神経外科医のアルバート・キム医学博士と共同で作成した演劇を通じてでした。「BrainWorks(ブレインワークス)」という題名のこの劇は、アルツハイマー型認知症やてんかんなどの脳の病気に対する人々の認識を高めることを目的としたもので、医学的ファクトとそうした患者のいる家族のドラマを組み合わせた、これまでにないタイプの劇でした。劇では、おばあさんの神経学的な衰えによって孫娘との会話が噛み合わないシーンなど、脳の病気がどのような影響を与えるかが描かれており、芸術と医療を組み合わせるというアイデアがとてもクールだと感じました。この作品は、米国の公共放送サービス(PBS)にも取り上げられて注目されました。

ただ僕にとって最大の興味は、脳卒中の患者が手の動きを回復できる医療機器をルーサート博士が開発していることでした。僕の祖母は、60年以上医師として働いたあと、脳卒中を起こして、話すことや動くことができなくなりました。僕は祖母ととても親しかったので、コミュニケーションがとれなくなったとき、とても悲しかったです。祖母の考えを理解する方法があれば、と何度も思いました。

なので、ルーサート博士の研究を知ったとき、僕は博士の仕事に深い繋がりを感じ、どうしても博士に会いたいと思いました。そして、これまで考えたことのなかった「医学の道」が、もしかしたら自分の進むべき方向なのかもしれないと感じました。

ルーサート博士との対談

対談を申し込んでから何ヶ月も待って、ようやくルーサート博士との対談が実現しました。対談前は、著名な神経外科医であり、発明家、研究者でもある博士とお会いすることに対してとても緊張しましたが、その時はまだ、対談が僕の考え方を大きく変えるものになろうとは、予想もしていませんでした。

ルーサート博士とのお話でもっとも印象的だったのは、「自分の『北極星』を見つけなさい」というアドバイスでした。ここでいう『北極星』とは、これからの人生を20年、30年先まで導いてくれる指針という意味です。博士は、ご自身の歩まれた旅路について話してくださいました。高校生の頃は、まだはっきりと方向性が定まっていなかったそうですが、大学では神学と生物学を専攻されました。一見、正反対に思えるこの二つの学問を勉強したことが、最終的に博士の医学、コンピューター、そして脳に対する関心を呼び起こし、その後、博士は医学部に進み神経外科を専門とされました。博士は大学生の時を振り返り、神学とは宗教的信仰を研究するだけでなく、ものごとを深く考える力が養う学問だと話されました。博士は、生物学と神学を学んだ結果、脳を理解するという生涯の情熱を見つけたのです。

北極星を見つける実践的な方法

「なるほど」と僕は思いましたが、疑問が生じました。「自分の北極星はどうやったら見つかるの?」と。

そう質問するとルーサート博士は、「大学で異なる2つの分野を学ぶことを勧めるよ」と話してくださいました。そうすることにより、批判的な思考力を養うことができると博士は言いました。それを聞いたとき、僕は、そのアドバイスは理にかなっていると感じました。というのも僕自身、コンピューターサイエンスと脳との交わりに興味を持っていたからです。特に祖母の出来事をきっかけに、そのエリアへの関心が深まりました。また、エンジニアリングとビジネスを組み合わせて、医療機器やアプリを開発し、商業化する方法も探りたいと考えていました(今も興味があります)。

しかしそう僕のアイデアを話すと、博士は、脳とコンピューターのインターフェースの分野は、すでにFacebookやMicrosoftといった大企業が探求を始めていると警告し、もっと未開拓の科学分野を探すことが重要だとアドバイスをくださいました。また、そのために科学ジャーナルやニュースに気をとめて、最新の研究動向に常に目を向けておくことが重要だと話してくれました。

忍耐強く、過程を信じること

ルーサート博士から学んだ最も重要な教訓の一つは、成功には時間と忍耐が必要だということです。博士はそれをジャグリング(いくつもの物を次々に空中に投げたり受けとったりする曲芸)に例えて説明してくれました。最初はまず一つのボールを投げて受け取る練習から始め、それをマスターしたときに初めて次のボールを加えてみる。そのプロセスに近道はないよ、と言われました。

ルーサート博士は、単なる外科医ではなく、発明家であり、芸術家でもあります。既にサイエンスフィクションの小説を2冊出版していて、絵を描くことも好きと知って驚きました。博士は、創造性が博士の仕事において重要であると言いながら、最近はそのための時間を見つけるのが難しくなっていると話してくれました。また博士は、チームワークの重要性と「人を大切にする人物」であることの重要性も強調しました。博士の成功は、投資家から研究者仲間まで、さまざまな他者からの支援がなければ実現できなかったと言います。他の人と効果的にコミュニケーションをとり、協働するためには、何より「対人スキル」を向上させることが必要だと強調されていました。

将来に向けて

ルーサート博士は、高校生活や大学への準備といったティーン世代が直面するプレッシャーを理解してくださっていましたが、そうした忙しい中でも、自分の真の使命を探し続けることが重要と強調されていました。「『北極星』がなければ、人は簡単に漂流してしまうよ」と。このアドバイスは、特に私に深く響きました。というのも、博士に会った時、私はちょうど高校3年目で(アメリカの高校は4年制です)、大学で何を学ぶか、自分の本当の興味が何なのかを模索している最中だったからです。ちょうど将来について真剣に考え始めた時期でした。

ルーサート博士との対談は、大学を考えたり専攻を選ぶことは、そうした人生の旅の開始地点に過ぎないということを教えてくれました。本当に難しいのは、生きていく中で僕たちを導いてくれる「目的」を見つけること。ルーサート博士のような偉大な人物の足跡をたどり、僕たちも世界に貢献していける人物になりたいですね。

今回は以上です。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。ルーサート博士との対談で得たことを皆さんにぜひ伝えたくて書いたので、このブログ記事は長くなりました。僕が対談で重要なメッセージと思ったところや、強い印象を受けたアドバイスは太字で書いたので、ぜひ参考にしてください。

この数年の間で、僕は感動的な出会いをいくつも経験しました。自分の旅路を照らす星を見つけるためにも、今後、さらに多くの人にアドバイスを求めていきたいと思っています。これまでの出会いだけでなく、さらに新しい出会いについても、今後ブログで書いていく予定ですので、またブログをチェックしてくださいね!

一緒に探求を続けましょう!

Best,
クレッグ(Craig)

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